このシリーズでは、女子アナ・宮崎文子が、これまでの経験から学んだ話し方のポイントや、さまざまな人と会ってきた経験から見つけた「イメージアップ」の秘訣をご紹介。
今回は、聞きずらいことや、話しにくいセンシティブな話の聞き方についてです。センシティブな事柄は、話す方も勇気が必要ですし、聞く方も受け止め方に注意をしたいところ。新しい未来を築くためにはきちんと話し合っておくべきこともあります。ぜひ参考にしてみてくださいね。
前回までの記事はコチラ>>「女子アナ流! イメージアップの秘訣」
ワンクッションおく優しさを!アナウンサーが実践する大事な話の「聞き方」
出会ってから仲を深めていく過程で気になるのは、二人の未来をどう描いていくか、ということだと思います。
信頼関係を深めるためには、やはり込み入った話をする機会もターニングポイントになります。そこで、アナウンサーの私が日頃、聞きにくいこと、話しにくいことを話し合うときに意識していることをお伝えします。
私の仕事のひとつである取材では、良い話を聞くだけではなく、少し意地悪な質問や答えにくいことを伺うことが多々あります。
スポーツの試合で負けたチームに敗因を聞いたり、企業のミスに対して原因を聞いたり、プロや社会人の方への質問ならまだしも、高校生などの学生さんなどに負けた時の気持ちを聞くことも…。
かなりの申し訳なさを感じながらも、仕事として答えてもらわなければいけないので、聞き方には毎度苦慮します…。
そんな場面で心がけているのは「話すタイミングを選んでもらう」「聞いてもいいか、という前置きを必ずする」こと。
要はストレートに聞かない、ということを意識しています。
前置きをすると先方も腹をくくって話してくださることが多く、ネガティブな思いを共有したことで信頼関係を築けた場面は多かったように感じます。
ただ仕事の上ならまだしも、恋愛のシーンでもセンシティブな会話をする機会に直面したことはないでしょうか?
結婚観・出産願望の有無・金銭にかかること・宗教・離婚歴や持病などなど…。
価値観や未来像のすり合わせが必要な内容は、話を切り出すのも勇気がいりますよね。そんなときは一旦クッションをおくことで心構えができて話しやすくなる場合があります。
「大事なことだから聞いておきたいのだけど、聞いてもいいかな?」
少し回りくどいと思われることもあるかもしれませんが、配慮が伝わるのは心を解きほぐすきっかけにもなるので試してみてください。
▶︎女子アナ直伝!初デートの「たった3秒で相手の心を掴む」方法とは
仕事で結婚式の司会を引きうけるとき、打ち合わせで式で披露するプロフィール文を作成のために、新郎新婦の馴れ初めを伺います。
さまざまなカップルを見る中で、特に素敵だな…と思うカップルほど、価値観のすり合わせをしっかりしている印象がありました。
出会って4か月でスピード婚したというあるカップルは、「出会って2、3回目のデートで結婚についてや将来の理想をしっかり共有できたので、安心して付き合えました」との体験談。
一方で、家族の言いにくい話があって、それを打ち明けるのも受け入れるのも時間がかかってしまい、結婚に踏み切るのに時間がかかってしまったというカップルがいたり…。
はたまた、「前に長年付き合った人との宗教観が合わなくて破談に。付き合う前に価値観のすり合わせは必要だと思って、じっくり話し合って納得してから付き合いました」という、ディスカッションを重ねて交際に踏み切ったカップルもいました。
どのカップルにも共通しているのは、込み入った話をしっかりして信頼関係を構築していること。
結婚を考えるとなると、あらかじめ知っておきたいセンシティブな確認事項は誰にでもあるのではないでしょうか。そのような話題をないがしろにしたまま、関係を続けるのは苦しさを感じますし、後ですれ違いが起こるのも防ぎたいところ。
そこで、数多くの新郎新婦のお話を伺ってきた経験から、上手な聞き方・話し方のコツをまとめてみました。
ポイント1 . 「聞いてもらいやすい雰囲気づくり」を大切にする
彼に結婚願望があるかどうか確認したいけれど言い出しにくい…という人は非常に多いです。特に女性の場合、自分は何歳までに結婚したいけれど、彼がなかなか結婚を切り出してくれず焦ってしまうこともあるかもしれません。
そんな時に気をつけたいのが、威圧感を与えないようにすること。正面から向き合った状態で話すのは控える方が無難です。また、明るい場所も避け、落ち着いた照明のバーなど、横並びの状態で座って話すと、真正面から圧を与えてしまうのを避けることができます。
結婚願望や結婚したい時期の確認など、相手に威圧感を与えやすいトピックや、切り出すのも緊張してしまう話。このような話題のときは、膝を突き合わして話すという状況より、落ち着いた場所や時間帯を選ぶと、意見を受け止めてもらいやすいかもしれません。
ポイント2. お互いが心に余裕を持った状態で話せるようにする
子供に対しての希望や夫婦の在り方など、カップルで意見が割れそうな話題は、「これを言ったら嫌われてしまうのではないか」といった不安や戸惑いを感じやすいもの。
なので、話す側も聞く側にも心に余裕がある状態ですり合わせを行ったほうが、スムーズに進みます。
そしてこの時に大事なのが、たとえ相手の意見が自分と違うとしても、感情的にならずに受け止める心の余裕を持つということ。自分の意見も伝えたうえで、これから時間をかけてじっくりと話しあっていく覚悟と余裕を持ちましょう。
また、相手の過去の恋愛や結婚歴について聞きたいシーンではどうでしょうか。バツイチのお相手なので、離婚の原因や再婚願望などを聞いておきたいけれど、センシティブな話題ゆえに切り出しにくい…。そんなこともありますよね。
いきなり「どうなの!?」と問い詰めるのではなく、普段の何気ない雑談のなかで「今度またゆっくり話せる時によかったら聞かせてね」などと、事前に軽いジャブを打っておくのがおすすめ。思いやりと真剣度が同時に伝わります。
センシティブな話ほどしっかり答えられるようにしておきたいため、考える時間がほしいという男性は多いです。お相手が普段物事を慎重にすすめたいタイプならなおさら。受け止めるのに時間がかかりそうな話題の時は、相手にも準備をする余裕を与えましょう。
聞き上手・話し上手の一番のポイントは、「相手に負担をかけないコミュニケーションがとれるか」ということだと思います。
どんな雰囲気なら話しやすいか聞いてみるなど、感情的になりすぎないよう、自分自身も余裕を持つことを心がけてくださいね。
事前リサーチを徹底したり、周りの力を借りるのもOK
センシティブな話を直接する前に、できる範囲で事前にリサーチすることも重要です。
例えばマッチングアプリでの出会いならば、結婚歴や宗教といった内容について項目で絞り込めるようになっているアプリもありますよね。
先方が情報開示をしている項目であれば、直接会った時にさりげなく切り出して、話を聞いてみるといいでしょう。
また、お見合いであれば、先方の仲人さんにセンシティブな話をしても問題ないタイプか否か、事前に確かめるといいです。友人の紹介であれば、事前リサーチもしやすいはず。周りの力を借りてタイミングを見計らい、ぜひ協力をあおいでみてくださいね。
センシティブな話題をするのは、話す側も、聞く側も勇気がいるもの。相手への配慮は必要ですが、自分が知っておきたい内容をそのままにしてしまうと、後からすれ違いが起こりやすくなってしまうのも事実です。しっかりとコミュニケーションをとって信頼関係を深めてもらえればと思います。
次回は「また会いたい!」と思ってもらう、とっておきの方法をお伝えします。
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この記事を書いた人
早稲田大学教育学部卒。ミステリーハンターに憧れテレビの世界に飛び込み、地方NHK局のニュースキャスターを経て、現在はテレビ朝日をはじめとした在京局でリポーターとして活動中。著名人から金メダリスト、実業家まで年間200人にも及ぶ取材経験を活かし、対話スキルに関するコラムを発信。
Instagram: @fumiko.miyazaki29