ー交際相手の態度に期待しすぎてしまい、期待通りにならないと落ち込んでしまう。
―交際相手が自分の期待通りになってくれないとイライラしてしまう。
ーお付き合いをはじめても、自分がどう思われているか気になって不安になってしまう。
誰でも一度は経験したことがある悩みですよね。普通に生活しているだけでも人間関係の悩みは尽きないのに、婚活となると尚更だと思います。
もう自分は誰からも好かれないのではないか、結婚できないのではないかと不安になっている人にお伝えしたいのが、アドラー心理学の「課題の分離」。
「心理学って難しそう…」と思うかもしれませんが、大丈夫です。婚活の中でよくある悩みに沿って、わかりやすく紹介します!
▶︎こちらの記事もチェック! “結婚できないかも”と落ち込む前に…アドラー心理学「嫌われる勇気」を婚活に活かす方法
アドラー心理学「課題の分離」とは?
「課題の分離」とは、とてもシンプルに説明すると「自分の課題と相手の課題を分けて考える」ということです。
- 自分の課題・・・自分でコントロールできること
- 相手の課題・・・自分でコントロールできないこと
「課題の分離」を説明するときに一番よく取り上げられるのが、“子どもに勉強してほしい親”と“親から無理強いされる子ども”の例です。
子どもに勉強してほしい親が、「勉強しなさい!」と子どもに無理強いします。しかし、「勉強する」という課題は子どものものであり、親の課題ではありません。このように「自分の課題」と「相手の課題」を分離して、双方の課題を明確にしましょう、というのが「課題の分離」です。
「課題の分離」を理解するポイントの一つに、「その課題の結果の責任をとるのは誰か」ということがあります。
先程の勉強の例で考えてみましょう。
勉強すれば、その結果として学力が高まりますが、逆に勉強しなければ学力は低下します。つまり、勉強するという課題の結果に対して、責任を負うことになるのは子ども本人であって、親ではありません。ですから、親が自分の課題ではないことに介入するのは良くない、というのがアドラーの考えです。
強いて親の課題を考えるとすれば、「子どもが勉強しやすい環境つくりやそのサポートをすること」でしょうか。
それでは、この「課題の分離」を婚活に当てはめるとどうでしょうか。
例えば、男性が交際相手の女性にプロポーズしたものの、断られてしまったとします。このとき、断られた男性は「自分の何がいけなかったのだろう。」と悩み、辛い気持ちになると思います。
この男性の悩みを、「課題の分離」の5つのポイントに沿って考えていきましょう。
1.プロポーズは誰の課題なのか
「プロポーズ」という行為に対しての課題は、プロポーズする側の男性にあります。
今回は断られた例を挙げていますが、仮に成功したとしてもフラれたとしても、「プロポーズをする」という行為に対しての課題は同じです。
- プロポーズをするまでに女性との信頼関係を築いてきたか。
- 交際中に女性の結婚したいタイミングに気付くように努力していたか。
- 結婚生活に向けて一緒にイメージしたり前向きな話をしてきたか。
- 結婚という人生の決断や、その後の責任を全うできるか。
こういったプロポーズをするまでの段階に、男性の課題はあります。これらを自分でクリアしたと思ってプロポーズをしたのであれば、男性の「プロポーズをする」という課題はすでに達成されているのです。
2.プロポーズの結論を出し、最後に責任をとるのは誰か
今回のプロポーズというケースでは、結婚するかしないかという結果を決めるのは女性です。そのため、「プロポーズの結論を出す」のは女性の課題になります。女性の返事によって、今後のお互いの人生は変わってきます。つまり、プロポーズの返事に対する責任も女性にあるのです。
男性は、プロポーズしてフラれてしまうと、「自分に悪いところがあったからフラれたんだ」と悩み落ち込むかもしれません。しかし、アドラー心理学に沿って考えると、男性が悩むことではないのです。フラれた男性が悩んだところで結果は変わりませんし、結果を出すのは女性の課題だからです。
3.自分の課題と相手の課題を分離して考える
次に、プロポーズをして断わられた男性の課題と、断わった女性の課題を分けて考えてみましょう。
まず男性の課題は、<1.プロポーズは誰の課題なのか>で述べたこと。「プロポーズをする」という行為が男性の課題です。
そして女性の課題は、<2.プロポーズの結論を出し、最後に責任をとるのは誰か>で述べたように、プロポーズの返事によって今後のお互いの人生が変わるということにあります。
このように、自分の課題と相手の課題を分けて考えることで、余計な悩みを抱えずに済みます。もちろんこれまでのお付き合いを振り返ることは大事なことですが、フラれたからといって、「どうせ自分は誰とも結婚できないんだ」「また好きな人ができてもフラれたらどうしよう」など、余計な不安や悩みを抱えることはありません。
アドラーは、「人間の悩みは、対人関係の悩みである」と言っているくらいに、人と人との関わりの難しさを説いています。人間関係ほど難しいことは無いからこそ、自分の課題ではないことで悩まなくていい、と教えてくれているのでしょう。
4.相手の課題を分離したら、相手の課題に介入しない
「相手の課題」というのは、今回の例で考えるなら、男性にとっては「女性がプロポーズにどんな返事をするか」ということ。プロポーズは断わってもこのままもう少し交際を続けたいのか、それとも別れるのか。どんな返事をするかが女性の課題です。
男性が、自分の課題と女性の課題とに線引きをせず、自分の希望を押し付けたり、女性の課題に踏み込んだりすると、余計な介入になってしまいます。余計な介入をすると相手は疎ましく感じるかもしれませんし、自分にとっても不要な悩みやストレスを抱えるだけになってしまいます。
この段階で男性にできる課題を考えるとすれば、「相手を信じる」「結果を受け入れる」ということです。信じていても自分の望む結果にはならないかもしれません。しかし結果をどうするかは女性の課題なので、男性にはどうすることもできません。
5.プロポーズという課題を二人の課題にし、協力して解決する
「課題の分離」の“分離”という言葉には、「あなたはあなた、私は私」というような冷たさを感じるかもしれませんが、そんなことはありません。プロポーズされた女性が「自分の課題を一緒に考えてほしい」と男性に依頼することもできます。男性がその依頼を受け入れてもいいのなら、協力して解決していくことができるのです。
例えば、女性がプロポーズの返事に困ったとします。
「いつかはあなたと結婚したいけれど、今はまだ仕事を優先させたいからもう少し待って欲しい」
「まだ交際して日も浅いから結婚を決断できない。もう少し時間をかけてお互いを理解し合う時間が欲しい」
このように女性が依頼して男性が受け入れた場合、プロポーズの返事をどうするかという「女性個人の課題」が「男性と共同の課題」になります。一度「共同の課題」を引き受けたら、男性も責任を持って取り組んでいかなくてはなりません。
ただし重要なのは、あくまでも課題の結論を出すのは女性で、男性はそのサポート役だということ。協力者が解決するべきではありません。男性側は、もう一度お互いの結婚観について話しやすい雰囲気をつくったり、信頼関係を築き直したりと、自分にできる努力をしましょう。
まとめ:アドラー心理学「課題の分離」を取り入れ、自分らしい婚活を楽しもう!
「課題の分離」について、ここまでいかがでしたか?
「課題の分離」を理解することで、自分が抱える必要のない悩みを手離すことができ、人間関係での多くの悩みが解消されるのではないでしょうか。
恋人との関係や婚活で悩んでいる人は、まずは「その悩みは自分でコントロールできるものかどうか」を考えてみてください。
自分では変えられないことに対して悩んでも、仕方がありません。自分ではどうしようもないことをスルーするのは大切なことです。自分でコントロールできることにだけしっかり向き合い努力していくことで、自分らしい婚活ができるでしょう。
とはいえ、「理想のパートナーと出会えるかどうか」は自分ではコントロールできないことですよね。そういう時は「受け入れる姿勢」も大切です。
自分で自分を認めてあげられるように努力したり、一つひとつのご縁を大切にしたりしていると、自然と周りからの評価も上がってきますよ。
「課題の分離」をぜひ取り入れて、ストレスや不安を手放し、自分らしい婚活を楽しんでくださいね!
▶︎こちらの記事もチェック!
“結婚できないかも”と落ち込む前に…アドラー心理学「嫌われる勇気」を婚活に活かす方法
婚活していると、相手の学歴や年収が気になる…男性を見る目を磨く「逆算思考」とは