コロナも落ち着き、街の様子もにぎわいをみせるように。新年度も始まり、新たな出会いやパーティなどの集まりも増えてきました。
グループデートでも、アプリの初対面でも、肝心なのが「はじめまして!」の第一印象です。
相手が「感じがいいな」と好印象に映るためには、ちょっとした工夫と見せ方が必要。この企画ではアナウンサーの宮崎文子が、これまでの経験から学んだ話し方のポイントや、さまざまな人と会ってきた経験から見つけた「イメージアップ」の秘訣をシリーズでご紹介します。恋愛面だけでなく対人コミュニケーションのスキルアップにも応用してくださいね。
第1回 とにもかくにも、「3秒」で心をつかむ。
「見た目が9割」だからこそ重要な「3秒」がある。
以前「見た目が9割」という書籍が流行りましたが、人に何か印象を与えるのは、ほんの一瞬の表情やしぐさで決まることが少なくありません。だったら、デートや初対面のタイミングでは「3秒」で好印象を持ってもらうことが重要です。
心理学では、第一印象は3~5秒で決まるといいます。 それを決定づけるのが、①視覚 ②聴覚 ③言語情報です。
これは人の認知行動の一環でもあるのですが、服装や表情という見た目(=視覚)や、耳に届いた第一声(聴覚)、言葉づかいや話の内容(=言語情報)で、誰しも自然と相手がどんな人なのか理解しようとするのです。
個人的な感覚では、 初めの「3秒」においては、聴覚や言語情報よりも、瞬間的に感じる「見た目」、つまり視覚の割合が大きいと感じます。
極端な例ではありますが、電車の中で杖を持った高齢の方が乗ってきたら…。おそらく3秒後には席を譲ったほうがいいのではと行動にうつす人もいるでしょう。街中で、携帯電話を持ちながらきょろきょろしている人がいたら、「困っているのかな」なんて思ったりするのではないでしょうか。そうやって人は、視覚情報で状況まで無意識に理解しようとするもの。
だからこそ一瞬で悪い印象を持たれないようにするためにも、初めの「3秒」では、ちょっとした工夫が必要なのです。
それでは、具体的にどのようにすればたった3秒で相手の心を掴むことができるのか、3つのステップに従って解説していきます。
STEP1 まずは微笑む。
さて、ここで次の2つのどちらかに挑戦してみてください。
1つ目は…「こんにちは! ◯◯です」と自己紹介の第一声をいうイメージで、スマホのストップウォッチ機能で3秒間測りながら声を出してみてください。もし声に出せる環境ではなかったら2つ目の方法として、スマホカメラのタイマー機能で3秒セットして、セルフィーの表情を作ってみてください。どうですか?
みなさんお気づきだと思うのですが3秒ってけっこう、長いですよね。
実は3秒あれば、テレビやラジオの番組なら「こんにちは。◯◯の時間です!」といった挨拶の第一声や、「以上、天気予報でした。次は◯◯です!」と、次の項目説明もできるほどの長さだったりするのです。
つまり、たった3秒の自己紹介で、見た目や声のトーン、名前の言い方を通して、視覚、聴覚、言語情報に働きかけることができるのです。とはいっても、初めて話す相手はどんなシチュエーションであれ、緊張してしまうものですよね。
そこで、心がけてほしいのが「目元」が笑っていること。はじめは話さなくてもいいので、相手と目が合ったら、1秒待って、微笑んでみてください。どんなに緊張していても、一呼吸おけば、すんなり心は落ち着くものです。
しかし相手の目を見るというのは、意外と難易度が高いもの。はじめは口角を上げるだけでもいいですし、会釈をすれば自然と目を反らせるので、無理して視線を合わせる必要はありません! ただ口角を上げて、少しでも目の力を抜くところを目指してみてください。
STEP2 第一声に心をこめて。
次に、あいさつです。話し方のレッスンをするときにこんな相談を受けました。
「社会人になって『おつかれさまです』ばかり多用していて、それ以外の挨拶が出てこない。なんて言えばいいかわからない…」という内容です。
確かに「おつかれさまです」ばかり使ってしまいがちですが、「おはようございます・こんにちは・こんばんは・はじめまして」この4つくらいはとっさでも出てくるようにしておくといいでしょう。ここで気を付けたいのがトーンです。
実は声のトーンにもTPOというものが存在します。カフェ、レストラン、ホテルや空港…。その場の雰囲気にあった声のトーンで話せる人は、相手に心地よさを与えます。特に、あいさつをするタイミングでTPOにあったトーンで話すと、感じの良さやキャラクターも伝わるでしょう。
なにもいつでも明るく言う必要はありません。ただひとつ気を付けてほしいのは、相手が聞き取りやすい声で話すこと。心をこめた第一声で「印象の良さ」をつかみ取ってください。
STEP3 日々の積み重ね
そんなことを言っても、新しい人と出会って挨拶する機会はそんなに多くない…という人もいるかもしれません。ですが、ここで頑張ってほしいのは、コツコツ練習することです。
わざわざ名前を言うところまでいかなくても、カフェやコンビニの店員さんに、オーダーやレジのタイミングで少し微笑んで「お願いします」と言ってみる。取引先との打ち合わせのときに、「こんにちは、きょうは宜しくお願い致します。」と声のトーンに気をつけて言ってみる。
アナウンサーも毎日番組冒頭の練習はするものです。いつでも、とっさの笑顔と適切なトーンで挨拶ができるように練習してみてくださいね!
以上、「たった3秒で相手の心を掴む方法」をご紹介しました。もちろん、デートで一番大事なのは時間を重ねていきお互いの中身を知ることですし、第一印象がすべてではありません。
ただ、グループデートや会食などで、相手を惹きつけるテクニックを知っておくのは大事なこと。いざという時にできるように、日常生活の中で誰かとちょっと目を合わせることに慣れておくのも一つの手なので、是非トライしてみてくださいね!
次回は…いろんな場面で使える「緊張をほぐす魔法の1秒」についてです。お楽しみに!
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この記事を書いた人
早稲田大学教育学部卒。ミステリーハンターに憧れテレビの世界に飛び込み、地方NHK局のニュースキャスターを経て、現在はテレビ朝日をはじめとした在京局でリポーターとして活動中。著名人から金メダリスト、実業家まで年間200人にも及ぶ取材経験を活かし、対話スキルに関するコラムを発信。
Instagram: @fumiko.miyazaki29