いよいよインバウンドも再開! 日本人もますます自由に留学したり、働きに出たりする時代が来ました。
行き来が増えて、外国人と出逢う確率も飛躍的に上昇中。日本で働く外国人も増え、国際結婚の可能性は、もはや誰にでもあり得る時代です。
そこで気になるのが「国際結婚、憧れもあるけど、本当のところどうなの……?」という素朴な疑問。
そこで今回は、現在国際結婚をされている方、あるいは過去にされていた方に「国際結婚の苦労とその解決法」について率直に伺いました。
国際結婚で大変だったこと① ビザや手続きがとにかく面倒!
26歳のとき、スウェーデンに留学、そこで大学院に通っていた3歳年上の彼と出会いました。2年間お付き合いをしたのち、結婚しようということに。
彼はエンジニアで、さらにリスキリングのために大学院に通っていたのですが、手に職があるということで日本にある外資系IT企業に就職を目指しました。
……そこまでは良かったのですが、まず結婚に際する手続きが非常に煩雑でした。お互いの国で手続きをする必要がありますが、日本の区役所の担当の方でも分からないことがたくさんありました。国際結婚に詳しい弁護士さんに相談に行ったり、インターネットでひたすら調べたり。
また年金や社会保障なども、その国によって国際結婚した配偶者の扱いが異なるので、これから国際結婚をする方は、お互いの国に滞在している間にできるだけ調べるのがおススメです。(32歳・女性)
のっけから現実的なお話が出てきました。しかし今回3人の方にお話を伺いましたが、これはほぼ全員がおっしゃっています。
とにかく法的な手続きが複雑とのこと。焦らずに、本やインターネットでひととおり「どんな手続きが必要なのか」の概要だけでも掴んでおくことが大切だとか。細かいところは手続きをしながら調べたり相談したりすればOK。あとから困った、ということにならないように、まずは公的機関に行って必要な手続きをきいてみましょう。
私の夫はオーストラリア人です。これはオージーだからというわけではなく、個人の問題もあるのですが、とにかく食習慣が違いすぎる!
私の夫に関して言えば、野菜を採るという意識が薄く、メインはお肉。海外では子どものお弁当にサンドイッチとポテトチップ、なんて国もあるという話もききますが、日本人の食育レベルは高いんだなと実感しています。
付き合っている頃はまあ好き好きだよねと思っていたのですが、いざ結婚すれば大黒柱の健康は家族の幸せ。彼に任せると夕飯はソーセージ8本焼いてトーストに載せておわり! ということもあり、心配しています。私も工夫していろいろ作るんですが「野菜の煮たのとか食べた気がしない」なんて言われてしまって悩んでいます。(34歳・女性)
これは日本人同士の結婚でもあり得ることですが、食習慣は毎日のことなのでストレスの原因になりやすいですよね。とくに国際結婚では、材料や味付けはもちろん、バランスのとり方に対する考え方も違うので、日本人が常識と思っているようなことも通用しません。
週に1回はお互いの国の料理、と提案して日本食の日には野菜をたくさんとりいれたり、魚メインにしたり、工夫しつつ慣れていくのがおススメです。
国際結婚で大変だったこと③ 帰省するのに一苦労……!
彼は10歳年上のフランス人で、日本で働いていました。日本語もたどたどしくはありますが話せます。私は大学でフランス語を専攻し、留学の経験もあったのでフランス語が話せたため、二人のコミュニケーションにはさほど苦労がありませんでした。結婚することになり、お互いに実家とは仲が良く、晴れ姿を見せたいと結婚式は両国で2回挙げることに。
当然コストもかかりますし、両親だけはそれぞれの国に招待したので、交通費だけでもけっこうな出費でした。夫はフランスの南の地方に住んでいて、大変素敵な場所なのですが、結婚して10年、子どもがふたり生まれ、毎年かならず夏に2週間は一家で帰省します。
家族4人で2週間となると、航空券代も入れれば100万円近くかかりますから、旅行はその1回のみ! でもこれは、祖国や家族と離れて日本に住んでくれた夫には必要なこと。年1回のバケーションのために、私もパートしています。(37歳・女性)
素敵な奥様のお話に、思わず深くうなずきました。円満な国際結婚の秘訣はおそらく「お互いへの感謝の気持ち」だろうと思います。異国で暮らし、働くパートナーへの感謝と労わりが、とくに国際結婚カップルには不可欠。
もちろん母国で暮らしていようとも、手続きや言葉のビハインドをカバーするご苦労があるはず。お互いに感謝と尊重する気持ちがあれば、問題が起きたときに絆に変えることができそうですね。
国際結婚で大変だったこと④ 離婚するときに手続きが煩雑
オーストラリア人と結婚してふたりの子どもをもうけ、現在もオーストラリアに住んでいます。結婚10年目、夫の浮気が引き金となり離婚を考えました。しかし、オーストラリアの法律では離婚しても、私が勝手に子どもを父親から引き離して日本に連れてくることはできません。夫も娘と会えなくなるのは絶対に嫌だということで、いったん別居という形にしました。
子どもが成人したら離婚する予定ですが、今から心配なのがお金のこと。夫はお金にシビアなので、裁判や調停が必要な予感があります。そもそも離婚するのも、どういう手続きなのか……今から心配です。(38歳・女性)
心配ですよね。基本的には、日本で結婚生活を送っている場合、離婚の際も日本の法律に基づくので国際結婚だからといって身構えすぎる必要はないでしょう。
ただ、外国に居住している場合は国によって法律や離婚の方法が異なります。協議離婚が認められず裁判離婚になることもあるので、現地の弁護士や大使館などに問い合わせ、力を借りることになります。焦らずに、専門家に相談をするのがいいかもしれません。
いかがでしたか? 国際結婚にはもちろん苦労もあるようですが、それは日本人同士の結婚も同じ。あらかじめトラブルになりやすいポイントを知っておくことで、事前にきちんと調べたり、お互いに覚悟を決めて向き合うことで、スムーズにいくでしょう。
こちらの記事もチェック!
▶︎朝まで家に帰ってこないフランス人夫…欲求不満妻が起こした大胆な行動とは!?
▶︎結婚したいのに出会いがない…?既婚者に聞いた「夫/妻と出会った場所」3選
この記事を書いた人
Michiko Sano
作家。東京生まれ、早稲田大学卒。エアライングランドスタッフ、WEBディレクター、商社受付、専業主婦を経て文筆業に。講談社WEBメディア「ミモレ」、幻冬舎ゴールド・オンライン、ダイヤモンド・オンライン、東京カレンダーWEBほかで小説やコラムを多数執筆。著書は『天現寺ウォーズ』『知られざる空港のプロフェッショナル』港区で男子ふたりを子育て中。趣味は旅行とグルメ。
Instagram @michikosano57
Twitter @michikosano57